性根が腐った僕が説得力を持って言えることなんてないんですが



統合失調症の人と話す機会があった。その人は今年の春先に二度飛び降りを試みており、医師にその病名を宣告された。彼女の口からその病の名前を聞くまでごくごく自然にやり取りされていた会話が乱気流にもまれたかのように崩れだした。僕はどうしていいかわからない。自然を装うことが不自然を生む。
出会ったばかりのその人との会話をつなぐには多くの質問を投げかける必要がある。ありふれた空疎な質問がテーブルの上を交差する。
医師からは運動すること、人と交わることを止められている。自分がこの夏経験した多くのこと___は彼女には刺激的過ぎる、そう判断した。
でも話していて彼女は治ると思った。多くの支えがあるからだ。家族、友人、音楽。
笑顔が素敵なひとだった。